この作品の正しい読み方は、気をひたすら楽にして根っころがりながら、だら~~っして眺めるように読む。
そのくらい、まじめに読んではいけない作品。
いや、ダメだといってるわけじゃないです。
肩の力を抜いて読めるけど、力を入れては絶対読めないというか。
同じ著者の「乃木坂春香の秘密」も割とかったるいのだが、こっちはさらに輪をかけてかったるい。(いい意味でも悪い意味でも)
流石にこの手法で引っ張るのにも限界があったのか、次巻で最終巻らしい。
ただ、この巻で急激に風呂敷を広げすぎた感があり、今までちまちま出してきた複線らしきものが生かされていないのが気になる。
次巻も読むと思うけれど、綺麗に風呂敷をまとめられるか。が一番の見所のような気がする。
私はラブコメは大好物だけれど、これは人を選ぶんじゃないかなぁ……
最初をチラッと読んでいきなり外伝が始まったので、すっかり読む気をなくしていたのだけれど、萎える気持ちを抑えつつ、騙し騙しなんとか読了。
本編をいいところで引きずっていただけにこういう形で別の話を持ってこられるとイラっとくる。
今までは、外伝にはSとかゼロとか別の名前つけていたじゃないかと。
タイトルだけで買っていやな感じで期待を裏切られるとどうしても好意的な目では見られないもので……
本文は相変わらず、きっちり読もうとするとかなりの時間をとられる事になる。
さすがに十数巻も読んでるとコツが掴めてくるもので、会話に重点を絞って一気に斜め読み。
決して面白くないわけではないのだけれど、凡百。
登場人物全員にスポットを当てるにはちょっと容量不足だったんじゃないかなぁ……
なんとなくだけれど、いきあたりばったり感が強いというか。
そしてなにより、15巻目通してきて、ここにこの話を挟むことに意味が感じられない。
最近の続きもんに関するネガティブな評価を凝縮させたような気がする。
『彼女は帰星子女』の作者さん。
帰星子女の頃からなんというか、やさしい作風の人だなと思っていた。
悪役らしい悪役が出てこないというか。
まぁ、そこがよいのだけれど。
あらすじなんかはどうせ公式やら何やらで探せばあるのだから思ったことだけ徒然と。
この作品を普通って評価する人、結構多いんじゃないかなと思う。文体にクセがないせいですらすら読めるし、イベントの割りに起伏が大げさに語られることなくサクサク進むし。
けれど、これって結構大切な事なのではないかと思う次第です。
シャナの半分の時間で読めるクセにちゃんと話は詰まってるし、起伏がないのと感じるのだって他のラノベのオーバーアクションに毒されすぎているからそう感じるのではないかと思うのです。
しいて挙げるとすれば、最後の〆の段階までに今ひとつインパクトというかタメが足りないことか……
物語を語る積み木を綺麗に積み上げてはいるんですが、高さがちょっとだけ足りない感じ。
だから読み終わった時に少しだけ物足りなく感じてしまう。
もったいないなぁ……
時期を逃しているのは判っているのだけれど、ちょっと前にずいぶん話題になっていたので、通勤時間を使ってちまちま読み進めていた。
んで、金曜に読了。
うん、面白かった。
「浅羽袋」とかグッとくるものがあった。
でも、ちょっとトラウマになるかなぁ……
全編を通して計算されて作られていた感じがする。
積み上げて積み上げて積み上げて、最後に叩き壊す。
ちょっと卑怯な気がしないでもないけれどやっぱりこういうのには弱いんだよなぁ。